しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~
「たまたま屋上に行ったらね、レオくんがいたの」
「寝てたから話は出来なかったんだけど」
「その寝顔がねっ!!」
と、次々に話し出す彼女達。
どんどん速くなっていく鼓動をしずめようと、大きく息を吸った。
すると、隣の日和が私の腕を突き
『ちょっと行ってみようか』と、私に耳打ちしてきた。
ガチャリと、屋上のドアを開ける。
少し錆び付いたドアは、何とも不快な音をたてた。
4月も中旬。
寒くもなく、暑くもない。
爽やかな風が頬をかすめ、とても気持ちがいい。
空を仰げば、心が躍り出すような青空が広がっていた。
「うわぁ〜」
日和と同時に声をあげ、お互い目を見合った。
「私の中学はさ、屋上立入禁止だったんだ」
肩をすくめる日和に、『うちの中学もだよ』と、苦笑した。
「こんな景色が見られたなんて。なんか、人生損した感じだよね」
私は、眉間にしわを寄せ大きく頷いた。