しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~
「つーか。あいつ、まだ来ないのか」
ようやく私の肩から手を離してくれた先輩が、イライラとため息をついた。
「あいつの事だから、まだ寝てんじゃねーの?」
そんな柊先輩とは対照的に、ベッドに寝転んで雑誌をめくっているコウ先輩が、さらりと言った。
柊先輩は何度も携帯を開いている。
「あいつから、一通も返事がこねー」
「壮吾も嫌われたもんだな」
「ふざけんな。あいつ、マジで寝てんのか?」
イライラが限界を超えたのか、柊先輩はとうとう電話をかけはじめた。
と思ったら。
“レオ”と表示されている携帯を、私にグイっと押し付けてくる。
「え…… 何ですか?」
「おまえがかけろ」