しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~
「ど、どうしてですか?」
「女からの方が、あいつもちょっとは動く気になるだろ」
無理矢理持たされた携帯を片手に、おろおろとする。
「あいつが、女で動くわけないだろ」
呆れ気味に言ったのは、コウ先輩だ。
私も、そう思う。
女って言っても、私だ。
絶対に興味を示すわけがない。
「んだよー」
先輩はふて腐れながら、仕方なく携帯を耳に当てた。
受話器越しに、呼び出し音が微かに漏れてくる。
ワンコール、
ツーコール、
スリーコール……。
哀しい呼びだし音が微かに聞こえてくるだけで、レオくんが電話に出る気配は全くない。
諦めた先輩は、ぱたんと携帯を乱暴に閉じると頭を垂れた。
「相変わらず社交性のないヤツだよなー」
私はそんな先輩に苦笑しながら、部屋をぐるっと見渡す。