しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~


『今日、壮吾の見舞に行くけど、美羽ちゃんも行く?』


そう誘ってくれたのはコウ先輩。


私達の教室に、レオくんの様子を見に来ていたんだ。


コウ先輩が教室に来ると急に空気が変わり、女子の視線を独り占めしていた。


黄色い声を浴び慣れている先輩は、レッドカーペットを歩くハリウッドスターのように手を振っていた。


それを見ていた日和は面白くなさそうに机に頬杖をついていたけど、私はそれが楽しくてずっと笑っていた。


柊先輩の家に行くのは、各自家に帰ったあと。


制服じゃ何かと厄介だからな。 と、よくわからない事を言っていたコウ先輩の提案だ。


先輩が教室を出る前に、机に突っ伏しているレオくんに『必ず来いよ』と念を押していたけど……


一度家に帰ったら、レオくんの事だから絶対に来ないような気がする……




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