しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~


バレーボールを私にトスしながら、日和が言った。


「昨日の夜、ちょっと寒かったから風邪ひいちゃったんじゃない?」


そう言いながら、ボールをつなぐ。


「バカは風邪ひかないって言うのにね」


日和の言葉に、私達はクスっと笑った。


「でも...」


私がトスしたボールを受け止めて、日和は言葉を区切った。

両手でボールを抱えて、手の中でクルクルと回している。


「なんか、珍しい。今までに彼女を作ろうとしてなかった先輩が、急に告白だなんて」


………。


それは、私も思った。

家に帰りついて冷静になってから思ったんだけど。


めちゃくちゃモテる先輩が今まで彼女を作ろうとしていなかったのに、どうして急に?


しかも、どうして私?

なんて、お風呂に入りながら不思議に思ったんだ。


「美羽だから、先輩も告ったんだろうね」


日和は満面の笑みを浮かべ、


『美羽は特別だ』と、言葉を続けた。





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