しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~
レオくんに動きがあった。
ずっと前を向いていて、私の声なんて耳に入っていないって感じだったのに。
私が『付き合うことになった』と言った瞬間、くるりと振り向いたんだ。
それも、すごく驚いたように目を丸めて。
いつも無表情なレオくんのその表情は、とても違和感たっぷりで。
「それ、どっちから言ったの?」
まるで、私達の間だけ時間が止まってしまったようだった。
「先輩……から」
出した声が、微かに震えてしまった。
どうして?
そう聞きたかったのに、声にならなかった。
それだけレオくんが驚いていたから。
「ふーん」
あんなに驚いていたのに、もう興味無さそうにクルリと踵を返すと、ポケットに両手を突っ込んで歩いて行った。
『ふーん』と、素っ気ない言い方だったけれど。
久しぶりに聞いたレオくんの声は、私の耳にしっかりと残った。