Last Sound





「いいか?波瑠斗。

よく聞けよ。


教師って職業はな?生徒の手助けをするものなんだ。

俺はお前に


『軽音部を作りたい』って、

『学際のステージで演奏したい』って、


そう言われて協力する、って言ったんだ。


俺はそのとき、心に誓った。

波瑠斗を信じる、って。


だから同僚の先生たちに何を言われたって、

校長に何を言われたって、

俺はお前に協力する、って決めたから

だから辛くなんてないし、

むしろお前の力にほんの少しでもなれてるなら俺は嬉しいよ。


なあ、波瑠斗。

お前は伸び伸びとやりたいことをやれ。


俺が責任ならいくらでもとってやるから。

だから、好きなこと、好きなようにやれ。


俺に遠慮なんてするな。

俺に引け目なんて感じんな。


波瑠斗、分かったか?」


エトーのその熱い言葉に不意にも泣きそうになった。

でも、涙をぐっと堪える。



「だけど、だけど俺、エトーがいなくなったら…」

イヤなんだ、そう続きを言えなかった。

今にも涙が溢れそうになったせいで。



「バーカ。

俺はいなくなんねーよ。


最後までお前たちのこと、見守っててやるから」


微笑むエトー。


マジ…最高すぎるよ、エトー。

ほんとに3年間、エトーが担任で良かった。







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