Last Sound





「あーさひっ!」


廊下で朝陽のクラスが終わるのを待っていた俺は

朝陽が廊下に出てきた瞬間大声で叫んだ。


すると朝陽はキョロキョロと辺りを見回し俺の姿を確認すると

ものすごい勢いで俺のほうへ向かってきた。

それこそ、突進してくるイノシシみたいに。



「…あっ、あ…波瑠斗くんっ」

顔を真っ赤にして何か言いたげな朝陽。


「どうした?」


「そ、その…は、恥ずかしいから…」


「あ、悪い。

大声で呼ばれたのが恥ずかしかったんだろ?」


朝陽はコクン、と俯き加減に頷いた。


うーん。

やっぱりおかしいな。


廊下でちょっと大声で名前を呼ばれたくらいで恥ずかしがる朝陽が、

極度の人見知りの朝陽が、

なんで全くの初対面の俺と普通に話せたんだろう。



「なぁ、なんで朝陽は俺に人見知りしなかったんだ?」











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