Last Sound




「くっそーっ!!

分かってたとは言え、やっぱ悔しい!!」


俺は頭を抱え、机に突っ伏す。



「え?は?おい、波瑠斗。

なんでだよ。

なんで、そう言われるのが分かってたんだよ」


あ、そっか。

コイツらは知らないのか。



「今まで、軽音部を作ろうっていう動きは何度もあったんだ。

先輩たちも俺たちと同じ志(ココロザシ)を持ってたんだ。


だけど、1度も認められなかった。

だぜなら…校長が軽音部、ってものにいいイメージを持ってなかったからだ」


あー…ムカつく!

あのハゲた校長め!


「え?じゃあ校長先生はどういうイメージを軽音部に持ってるの?」

朝陽が首を傾げる。



「軽音部は学校の風紀を乱す、それが校長の持ってる軽音部のイメージ」


「はぁ?!何よ、それ!

いったい校長はどういう音楽をやる部活だと思ってんのよ!」


澪が興奮して立ち上がる。



「そうなんだよな。

校長、なんか頭っから決めつけてんだよ。


軽音部はチャラチャラしたヤツらがチャラチャラと楽器弾いて、よくわかんない歌、歌ってるヤツらだ、って。

だから、今まで俺たちの先輩方は軽音部を作ることができなかったんだ」


昭和生まれの昭和育ちの校長。

まあ当たり前なんだが。


でも今の時代は『平成』だ。

間違っても『昭和』じゃない。


その昭和チックな考え、そろそろ捨ててくんねーかな。






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