シャーペンと君とあたし



「乗んねぇなら置いてくぞ。」


えっ、それはやだっ!

「待って!乗るっ!」



慌てて自転車の後ろに股がる。


座った瞬間に、体がカッと熱くなる。

鼓動もトクントクンと響く。



わっ、なにこれ。

ヤバくない?緊張しすぎ?




「お前どこ持ってる?」


俊が、体半分振り返る。


こっち向かないで〜

ほんと心臓もたないから!



「ど、どこも持ってないよっ」


目を泳がせて無駄にあたふた。



「いつも通りでいんだけど。」

「いっ、いつもこーだからっ!」


だから早く前向いてよ〜


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