シャーペンと君とあたし
「はぁ?!」
俊にしてはでっかい声。
てーか、今まで聞いた中で1番かも。
ポカーンとしてると
俊は、行き場のないあたしの腕を
ソッと掴み、自分の腰に回す。
えっ
「ちょっと…っ!」
腕をほどこうとすると
俊がソレを、更に強い力で止める。
「危ねーんだよ。」
もう、大丈夫なのに…
あたしの体からスッと力が抜ける。
そんなこと言われたら
何も言えなくなっちゃうじゃん。
トクントクンと心臓が鳴り響く中
──…自転車が走り出す。
.