シャーペンと君とあたし



「なぁなぁ。その子、鈴ちゃんの友達〜?」


苦笑を顔に浮かべていると、通路に身を乗りだしてきた宏人くんが左腕をツンツンしてくる。


しかも、声デカイくせに何故か小声。



「友達ってゆーか、幼馴染み?」


うまく説明できないけど、あたしにとって“宮田蒼”という存在は、どうしたって“友達”じゃ物足りなくて。


“幼馴染み”は“幼馴染み”


その言葉が、1番しっくりくるんだ




─…だからそう答えたのに



「それ、友達だから。」

「…っ!!」


どーしてあたしの右隣に座る神田俊って人種は、間髪入れずに突っ込んでくるんですか、教えてください神様仏様。


あまりにも言葉尻をさらうように突っ込まれ、冷静さを失うあたし。




言い返してやりたいのに、頭に血が昇ったのかなにも言葉が出てこなくて。


睨んで睨んで睨んでも、全く表情を変えない淡々とした神田俊を見れば見るほどムカついて、腹が立った。




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