シャーペンと君とあたし




なんであの時、気付けなかったんだろう?



明日には、


あたしの隣に、俊はいないんだって…



─…もう、会えないんだ。って





『いつ?いつ、アメリカに行っちゃうの?』


『……来年の、春。』




その答えには、少しの間があったのに





『使うとき声かけてね?
忘れちゃうかもしんないからさっ!』


『…お前、忘れんなよ。』




“忘れんなよ”



そう言った俊の目は、どこまでも真剣だったのに。




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