シャーペンと君とあたし
「で?コレ、貸してくれんの?」
……えっ?
一抹の静寂を感じていたあたしとは正反対に、あっという間に無表情に戻ってる彼が指差すのは
あたしの手に握られたままのシャーペン
「…あ、うん。忘れちゃったんでしょ?使って?」
うーん。この人よく分かんないなぁ。
笑ってたと思えばいきなり無表情だし。
そんな思考を廻らせながら、彼の手へと移動していくシャーペンを見送る。
─…その刹那
「あーーーっ!!!!俊だけずりぃーっ!!!」
あたしの左耳をつんざく程の声に身が縮こまり、今さら遅いと知りながら、耳を塞いだ