シャーペンと君とあたし



唇を噛み締めていると

いきなり視界が阻まれ周りが真っ白になる。



えっ、なに?タオル?




「お前ら、アイツが勝ちたくなくて
ワザと転んだとでも思ってんのかよ?」


あたふたしてるあたしの頭の上から
俊の声が降ってくる。


いつもより低く聞こえるのは

多分、怒ってるから。




「分かってんだろ、そんくらい。」


彼女達は何の反応もしない。



タオルのせいで状況が見えないから
よく分かんないけど

納得してくれたってこと?




─… グイッと手首が引っ張られる。



「わっ!」


.
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