モザイク
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一歩を踏み出すのが、こんなに恐ろしいと思ったのははじめてだ。大江はそう感じていた。
丹沢に、長沢と佐々木を託し、教室に戻ろうとした。が、大江の見ている先は一面のモザイクだった。
「お、おい。ここはどこだよ?」
思わず口から出た。
それから走って校舎から出た。
「俺・・・疲れてんのか・・・?」
校舎の半分くらいがモザイクに埋もれていた。そして叫び声が校舎のあちこちから聞こえてきた。
「ど、どうすれば。」
そうは言うものの、自分の力でどうにか出来るものではない。そう理解していた。そして大江がとった行動。それはここから逃げ出すだった。
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