モザイク
夢の中へ
電車に乗りながら、カナは外を眺めていた。そこに映る景色はいつもとなんら変わりない。
<いったい・・・さっきのはなんだったの・・・?>
その景色を眺めながら十分もすると、さっきの教室が嘘のように思えてきた。それくらいに電車の中は平和だ。いや、いつもより遙かに平和だ。電車の方向は通勤や通学する者と逆だし、それにそのピークを過ぎた時間だから、ほとんど人も乗っていない。暖かい日差し、適度な揺れも手伝ってカナはいつの間にか眠ってしまった。
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