モザイク
「でもさ・・・。」
少ししてから佐々木が聞いた。
「なんだい?」
桜井は訊ねた。
「長沢の言う通りにだよ、もしこれが病気じゃないとしたら・・・これは何なんだ?そして、俺たちは元に戻れるのか?」
神宮寺が心に秘めていた事を、佐々木は容赦なく口に出した。それを聞いた途端、胸が痛んだ。
「そ、それは・・・。」
桜井はそれ以上何も言えない。
「わからない。わかるはずがない。でもな、過去に発生したどんな病気だって、はじめは何だかわからないものだったんだ。だから、魔術だとか魔法だとか言われてた訳だしな。だから、これだって研究をしていけば、何の事はない病気かもしれない。それを調べるために協力してくれ。」
少し時間をおいてから答えた。
「わかった。」
佐々木は納得するしかなかった。今、頼れるのは目の前にいるふたりしかいないのだ。
「私も協力します。」
長沢も賛同した。
「ありがとう、ふたりとも。」
神宮寺たちは診察を始めた。

< 84 / 97 >

この作品をシェア

pagetop