ダウト-doubt-

過去二度の、別れの決意以外にも、別れる別れないの押し問答はあったわけだが、数えればきりがないので、カウントしていない。

ただ、共通して言えるのは、全てあたしが切り出して、尽く、あたしがそれを取り消してきた、ということ。

あの人から、別れを言われた事は、一度もない。

だから、嫌われているわけでは、ないのだと思う。

かといって、あたしの『サヨナラ』を否定した事も、一度もないわけで、それほど愛されていたわけでもないのだろう。


つまり、どっちでもいいような存在。


だけど、それをあっさり認めてしまうのも、なんだか悔しくて、こんな無意味な関係に、二年半も、あたしはしがみついていた。

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