海よりも。

私は黙って和紀の後ろを
ついて行った。

歩くこと5分、
がけについた。下を見ると海がある。

「ここに、二人同時に飛び込んで、
最初に海に落ちたほうが助かるんだ。」

「え?」

「でも、もう死んでるってわかってる人と一緒に
とびこんだりしても、どっちともたすからないけど。」


「もしかして和紀....」

「鈴香、一緒に飛び込んでくれ。」

「嫌っ!!!私、死にたくないっ!」

「行くからな。」

手首をつかまれた。
抵抗ができないくらい強い力。

「準備いいか?」

「ねぇ、もし私が死んだら和紀は助かるの?」


「....あぁ。」

「ならいいよ。」

「ん?なにが?」

「私が死んでも。和紀が助かるなら。」

「ばぁか。俺も同じだっつーの。」
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