紳士的なLady
「剣は男みたいだから、彼氏なんて一生出来ねーよ」
刀流が隣で言ってくる。
「あんたみたいなのと付き合ってる彼女、可哀想だよね。さっさと別れた方が良いんじゃないの?」
本当に。
こんな馬鹿の弟と付き合ってる女の子の方が可哀想だ。
チラリと一瞥してやると、悔しそうに拳を震わせる刀流。
「……お前のせいで………。お前のせいで別れたんだよ!」
震わせた拳で、机をガンッと叩き、茶碗が僅かに揺れる。
「私のせい?意味が分からない」
「あいつ、剣に惚れたんだぞ!」
「へぇ。きっとあんたに魅力が無かったんだよ」
弟相手なら、何とでも言える。
勿論、コレは全部本音。
え?
「……私に、惚れた?」
嘘でしょ。
「そうだって言ってんだろ!」