オモイビト
……辰か……。
「それまでこんなのなかった。ウチはこれから陽紀さん探さなきゃだから行くね」
「うん。……え?探す?」
「あの人教室になんていないし、サボりの常習犯」
……うはぁ〜、さっすが陽紀。
手を振って彼女は陽紀探しの旅に出て行った。
あたしは教室に戻り、次の教科の準備をした。
……ついに城那さんの名前が出てきちゃったかぁ……。
このまま何事もなく終わると思ってたんだけどなぁ……。
まぁ、きっと大丈夫。
あたしにはあの五人がいるし、なに言ったってあたしはどうにもならないし。
今はなにも出来ないだけのあたしじゃないし。
幼なじみ五人と、友達っていう心強い味方がいる。
――あの頃とは違う――。
気合い入れていかなくちゃだし!