放課後恋愛
うーん……
ここに来れば、九条君のことが頭から離れると期待してたんだけどな…。
図書館にやって来た私は、窓際のテーブル席に着いたものの、ノートを広げる手を止めてしまった。
また頭の中で九条君の言葉が再生されたからだ。
“俺、紗智が好きだ…。”
朝から…
いやいや、一昨日の夜から何度となくリピートされてるというのに…
一向に収まってくれない。
部屋を出て図書館まで来たっていうのに…、ダメだったか…。
はぁ……とため息を零しながら閉じたままのノートをぼんやり見ていると、後ろから肩をポンポンと叩かれた。