生徒会で、ヒミツの恋愛しちゃいました。



「という事は、あと一週間で色々とカタを付けなきゃいけないって訳ね」



「正直キツいな。会議の日だけ分かったのはよかったけど」




頭を抱え込む瑞兄に、あたしの案を言い出せないのは凄く辛い。だけど、瑞兄の立場を考えると、もっと辛い。


小杉春流を絶対に助けると決めたのに。


何だかんだでお世話になったアイツを救うって、空に向かって決心したはずなのに。



どうしよう、小杉春流―――



目を瞑(つむ)れば、小杉春流との思い出が浮かんでくる。次から次へと、溢れてくる走馬灯は止まらない。


最悪だった初対面から、同じクラスという事が発覚して、生徒会研修ではお互いに弱みを見せ合って。


来紋戦ではアクシデントが起こって、初めてのキスをアイツにあげてしまって、あたしの処分を背負って、今に至る。



過ごした時間は短いけど、小杉春流との思い出はたくさんある。


そんな“大切な”存在だからこそ―――心が痛くて痛くて、しょうがないんだ。




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