成熟と化して

「かーみーたー」

先生が来はじめた

―遅っ!!

「おまえ、今度と言う今度はな」

「いいんですか?先生」

不敵に笑う、紙田。

「先生の秘密、バラシちゃって」

「うっ…」

と、少し詰まったあと、吐き捨てるように

「今度したら、退学させるからな!!!」


そう言って、帰っていく

―秘密握られてるのに、何でわざわざ来たんだろ…


という上野の純粋な疑問を読んだかのように
「大方、出番が欲しかったんだろ」

と、紙田が呟いた

上野はなるほど、とまた素直に納得した。




その放課後、部室には、紙田と佐藤がそれぞれの時間を過ごしていた。

紙田はいかがわしい本を読み、佐藤は携帯でメールをしていた。


「それにしても…暇ですね」

「そうだな」


―次の標的は誰にしようかな~?

と、玩具を貰った子供のように、嬉しそうに、次は誰にするか考えていた。


-end-

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