年上彼女
「あ、頭、上げて下さい
あの…
言いにくかったらいいですけど…
何か、理由があるんでしょ?
それに…
もしかして、
あの人のコト、まだ好きなんですか?」
「……」
視線が、
カップの中の紅茶に注がれたまま
何も、言わない彼女
「あ、別に、言いたくなければ、
いいっすよ…
とりあえず、ニセの彼氏になりますから…」
ニセモノ…か…
ニセモノと自分で言った言葉が
なんだか、虚しかったけど…
「あのね…」
彼女が視線を俺に戻し、
何かを話そうとした