春も嵐も
弥生が深刻そうな顔で、俺の前に腰を下ろした

「何があったの?」

弥生の深刻そうな顔に、俺の疑問がますます深まる一方だ。

一体何があったのか、何で親父が怒鳴っているのか、何で美波さんのお父さんまでまでいるのか…全くと言っていいほどに話が見えない。

「実はね」

言いにくそうに、弥生が話を切り出した。

「…商店街がなくなるかも知れないの」

そう言った弥生に、
「ウソ…」

耳を疑ったのも無理はなかった。

だって、商店街がなくなるって…信じられないとしか言いようがない。

「何で?」

俺は弥生に聞いた。
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