春も嵐も
美波さんの気迫は、男の俺でも正直言ってどん引き気味である。

こんなヤツ、彼女にもらいたくねーな。

「片思いの恋はもう終わり!

盆踊りが終わったらバラ色の毎日よ!」

バラ色って、そこまで言うかよ…。

「嵐くんも手伝ってくれるよね!?」

美波さんが俺に顔を向けると、そう聞いてきた。

えっ、俺!?

いきなりの出来事に、俺は困るしか他がない。

俺も手伝うんですか!?

しかし、美波さんの迫力満点の気迫に俺は太刀打ちをすることができない。

「…お、おう」

俺は首を縦に振るしか他がなかった。
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