強がりも全部受け止めて
『あの夜は、僕は由梨さんにとってはなんのしがらみもない赤の他人で、だからこそ何でも言えたのかもしれない』




少し翳った顔に何も言えなくなった。





相田さんの言ったことはあながち間違ってなかったから。




名前も知らない、赤の他人だからこそ身の上話をしやすかった。




素直に思ってることを吐き出せた。




でも…私は、あの時相田さんだから聞いてほしいと、他の誰でもないこの人に聞いてほしいと強く思ってたと思い出す。




それだけじゃない。




相田さんが、私が話しやすいように気遣ってくれたから。




相田さんじゃなきゃ、あんなに素直に思ってたことを言えたりなんてしなかったの。




口を開いた私に相田さんはゆっくりと一度、首を横に振ってそれを制する。





今も、私が何を思って、何を言おうとしてるのかわかるの?




『でも今日は、違うよね?
お見合いの相手が僕だと知ってて来て、僕に好意があると認めてくれた。

別れた相手にも強がって見せてたのに、僕には…僕にだけ素直に思ってることをさらけ出してくれることが嬉しい』




本当に嬉しいんだ、ともう一度繰り返されて、胸がきゅうっと締め付けるくらいにときめいた。










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