強がりも全部受け止めて
どうやら、私、相田さんの前だと舞い上がってしまうみたいね。




恥ずかしいから少し気をつけなくちゃ!





そう思いながら、数メートル先のホテルの中庭から中へ戻るための出入り口へ、視線を移した。




出入り口の脇にベンチと、灰皿が置いてあって、そのベンチに座り、タバコを吸う人が目にうつり、体が固まった。




思わず歩みも止めてしまい、私の背中に手を当てて歩いていた相田さんも当然一緒にとまった。




『由梨さんどうかした?』



少し顔を覗き込まれたけれど、すぐに反応できなかった。






視線は相変わらず一点から逸らせない。






相田さんが、私の見ている方向へ視線を移したと同時に、ベンチに座ってた人が私たちのいるほうを見上げ・・・




驚いた顔をして立ち上がる。






『由梨さん、もしかして彼は・・・』





相田さんの言葉に、私は彼から目を逸らさずに




「・・・別れた恋人、です」



と、告げた。




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