強がりも全部受け止めて
「ヤケとかじゃないからご心配なく」




『あっそ』




「…可愛くない言い方ね。そんなんじゃ亜希ちゃんに愛想つかされるわよ？」




『亜希にこんな言葉使うわけねーだろ』




「…あっそ」




本当亜希ちゃん以外には冷たいわよね！



早坂くんも少しは私のこと心配してくれてたんだって感動したのに！！




いや一応、ほんの少しは早坂くんも私のこと心配してくれてたのかもしれない。




じゃなきゃいくら亜希ちゃんが心配してたからと言って、声をかけるようなひとじゃないもの。




そんなことを考えてたのに、早坂くんは私をみて怪訝な顔で言い放った。




『おい、何変な顔して立ってる。さっさと戻れよ。仕事中だろ？』





シッシッと野良犬を追い払うように手を振る。




頭きた。



「そんな態度とっていいの？後で泣き見るわよ？」




『は？何で俺が泣きを見なきゃいけないんだよ』



鼻でフン、と笑う姿に、またカチンときたけれどそれを隠して、わざと不敵な笑みを浮かべて見せた。




「そういえばお見合いの日にね、木下常務が雄太くんをつれてホテルのデザートバイキングに来てて偶然会ったの」




『だから何だよ』





普通に返事をしたつもりでしょうけど、雄太くんの名前を出した瞬間、ピクリと肩が動いたの、見逃さなかったわよ。














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