桜の見える丘(仮)

こいつらの悪口には耐えれる…


でも、同じ教室で…自分の後ろに座ってる仮にも彼女だよ?


彼女が悪口言われてるって言うのに…ピクリともしない…


神谷の態度に涙が出た―――・・・


もう…この教室に居たくない…


教室を勢いよく出る。


「ついに逃げだしたよ!!面白ーい。」
「ほんと…弱すぎじゃんね?」


そんな声も聞こえない。


「前沢!!もう、授業始まるぞ!!」


先生のそんな声も聞こえない。


とにかく、一人になれるところを探した。


走って…走って走って。


涙が出てるのわからないくらいに走って…


学校の中でも来たことのないところに来てしまった。


でも…いいんだ。一人になりたかったから…


知らない廊下を寂しく歩く。


階段を上っていくと…


「ここって…屋上…?」


ドアを開けようとしたけど…鍵がかかってあかなかった。


でも…ここ。人が来ても気づかれないし…ちょうどいいや…。

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