愛乗りシンドバッド
「うおい、
……シカトか?
俺はこうみえて
多感な年頃なんだぞ」

ハルはそこで
ようやく口を開く。

「別に。
ただ手紙を書いていたのさ」

昼間とは打って変わって
今にも眠りこけそうなくらい
低い声だった。

貧乏性な俺は
絨毯を踏んでも
汚くならないように
ついつい靴を脱いで
ハルの近くまで歩み寄る。
パイプで指す先には
たしかに数枚の書簡が
したためてあった。

英語、フランス、
ロシア、中国、
アラビア語っぽいのもある。
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