愛乗りシンドバッド
なんだ?まさかもう
金貨が惜しくなったのか、
がめついやつめ。

渡さないように
意地悪してるのだろうと
手をフリフリと
振り払おうと思ったが、
しかし簡単に離れそうで
どこか頼りない力であった。

心もち照れる……。

「ハル?」

「……なあ、ハヤト。
私の考えてることは、わかる?」

海辺で無意識に
白い貝殻でも探すように
そのまま俺の手を弄びだした。

「……何。考えてること?」

気煩いでもしたのかね。

瞳も元気を失ってしまったように
黒く変色して見える。
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