愛乗りシンドバッド
ほの暗いランプの灯の中で
執り行われるやりとりは
さながら犯罪者のように
クールであったが、
俺はというと
さきほどの奇妙なものに
気を取られたままであった。

何かおかしい。

胸もザワついている。

異様な不安を覚えたので
ゆっくりと木窓を
確かめてみると、
そこに黒い液体がべったりと
縁にくっついているのが
わかった。

鼻を寄せてみたら、
それが腐敗した魚のように
なんとまあ臭い。

思わず身を仰け反らせた。

「な、なんだこりゃ。
今のはいったい何だったんだ」

するとモルジアーナが
身を反転して言う。

「何を悠長に構えておられる。
魔人につけ狙われていると
いうのに」
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