愛乗りシンドバッド
「見ちゃ駄目だ」

そう叫んだのはハルで、
木窓から外を覗こうとしていた
モルジアーナを
一瞬早く引き止めた。

と、やにわに羽織っていた
自分の王族の
象徴のようなマントを
ぐるぐるに団子に巻くと、
木窓から放り投げてしまう。
何事かと思えば、
それは突然ミシンの機織りよりも
うるさい音を鳴らしながら
上空へ吹っ飛んでいったでは
ないか。

すぐにピンときた。

息を殺してそっと木窓から
下の様子を窺うと、
ポンポン帽子の
小さな子供と小さな猿が
ショット銃を小脇に抱えて
地だんだを踏んでるところが
塔の入り口のかがり火の灯りで
わずかに捉えられた。
しかも蠢く影は
他にもいくつか見受けられる。

「罠だったとは……」

モルジアーナが呟く。
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