文系男子。
伍章

[竹之内]

「やっぱ……」

「…一足遅かったな」

「…どうすんですか」

俺が聞くと、
加藤は上に言ってくる、と袴のまま出て行った。
後に多摩木さんが続いた。

「…なあ、どういう状況なんだ?」

木月がこっちを見る。

「…俺にも分からんが、」

兎に角真朱は危ないって事だ。

「坂本」

「なんすか」

「もう八時だぞ」

言うと、坂本はマジで?!と時計を見た後、慌しく道場を出て行った。
彼は歓楽街で人と会う予定があるらしい。
真面目な問題で行くと信じている。

残ったのは、

「…なあ、」

木月と

「あ?」

俺だけ。
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