文系男子。
[竹之内]

黒塗りの車の窓ガラスが開いた。

「…あ?」

煙草を咥えた男が睨んでくる。

頭は緋色でーーーーー…ん?

「え」
「あ」

知っている、顔、だった。

「うぇ?!え?ちょっと待て!このガキの連れーーーー」

作家先生なのかよ?!

「え?何知り合いなの?」

奥から真朱の声がする。

「…連れじゃない」

俺は後部座席のドアを開けると、真朱の腕を掴んで引っ張り出す。
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