文系男子。

[木月]

図書館の駐輪場に自転車を投げ捨てるように置いて、何時きても人の少ない館内に踏み込んだ。

「竹之内!」

テスト前の時と同じテーブルに座っており、レンズの厚いメガネ、よれよれのワイシャツ―――

こいつの何処が良いんだろう 彼女は。


「…何だ」


「真朱に何かしたろ!?」


「うるせえなあ……頭痛てえんだよ…もっと静かに喋ってくれ」


「あのな…」
「…真朱に、何かあったのか?」

「元気が…」

「ん?」

「元気がねえんだよ」

    
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