Pinky
Pinky ~2~
和人がかえってくる日も
私は激しい痛みで
震えていた。


体調が悪いことを
こんなに感謝した日はなかった。


元気だったら
心が潰れそうだもん


今頃 アンリさんと
何をしてるんだろう…


近くにいて
一番遠い人が和人・・・・



「神様…もう少しですね?
約束の時間は……
痛みで限界を知ってます……
和人もアンリさんと
結ばれたのでしょう?
もうすぐ…私の仕事は終わりです……」

ピンクのベットに
近づいて
私は祈りをささげた。


「でも…でも…
本当は…私も和人に女として
見てもらいたかった……

こうして近くにいて
何度愛されたいって思ったことか


神様の魔法に充分満足して
感謝していたのに……
よくばりな心は
いつも和人を私のものに
したくて一杯でした……

この存在が消える日まで
一度でいいから
和人に愛されたい………

そんなことを
考えてるから
神様に叱られるんですね……

わかってます……
だけど…
体の痛みより
今は心の痛みが辛い……

もうすぐ
永遠に別れてしまう……」


私は毎晩 毎晩
体と心の痛みに 泣いている。

それは和人には
聞こえないことになっている。
神様が和人に魔法をかけたから…


その時だけは
本当の自分になれるの
痛み想い全て吐き出して……
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