最後の天使
俺は降り立った
美紀の方へ歩み寄った。
「ねえ、隆二君」
「ん?」
「あたしがいなくなっても、悲しまないでね」
美紀は
目じりを下げて
さみしそうに笑った。
「何言ってるんだよ馬鹿…」
俺が美紀に手をを握ろうとしたとき、
手は美紀の手ではなく
空気を握っていた。
美紀はさみしそうに笑って、
羽を広げた。
羽のはばたく音で
俺の声も
美紀の声も聞こえない。
「美紀!どこ行くんだよ!美紀!」
“バイバイ”
美紀は確かにそう言った。