最後の天使
「はい、もしもし?」
『あ、隆二くん…?』
少し声のトーンが低く聞こえる。
それは俺のテンションが
指輪の購入で上がっているからなのか、
不安な心を残しながらも
期待で打ち消し、話を続けた。
「ん?どした~…具合よくない?」
『ううん、具合はもう完璧なんだけど』
「…どした?」
俺の予想していた方の
声のトーンだった。
『あのさ、言いにくいんだけど…』
「ん?」
不安の波で
心臓が押しつぶされそうになる。
『別れてほしいの。』
「え…?」
“ワカレテホシイノ”
その言葉が
心に残る。
『あのね、もう母親も、父親も心配してるしね…ずーっと言われてたお見合いしようと思うの』
「嘘だろ…それならおれが!」
『ううん、いいの。隆二君そんなこと考えてなかったでしょ?』
笑っていないのに
笑っているふりをしている
美紀が思い浮かぶ。
「…美紀…」
『もう、あたし疲れちゃったの。それに、隆二君には可愛い後輩居るでしょ?』
わかっていた美紀の言葉に
俺は罪悪感でいっぱいになった。