最後の天使
「どうしたの?」
うなだれる俺の上の方から
優しい声。
顔を上げると
肌の白い華奢な小さめの身長に、
さらさらな
少し茶色い毛を揺らす彼女は、
コックの服を着ていた。
片手に
小さなトートバックを下げて。
「いやあ…ちょっと…酔っちゃって…」
俺は申し訳なさそうにわらった。
そのあと
彼女はおもむろに
バックの中から
魔法瓶の水筒をだし、
コップに湯気の立つものを注いだ。
「はい」
「え…」
「これ、スープ。飲んでみて」
俺は差し出されたものを
何の抵抗もなく
口に含んだ。
口に広がる
優しいコンソメの味。
温かさに
こわばっていた顔も緩む。
「おいしい…」
「本当?嬉しい」
彼女ははにかんだ笑顔で
俺の飲みほしたコップを
またバッグに直した。