籠の鳥
その拍子にまだらのフードがとれる。

少し癖っ毛がある真っ直ぐな髪で肩まではない長さ。

それをぐしゃぐしゃにして首を振ってからまたまだらは耳を塞いだ。


何も聞いてて不快なものは鳴ってないはず…

なのにどうしてまだらはこんなにも音を閉ざしているのか…?

とりあえずさやの咄嗟の判断で妖力の結界が張られてる今、まだらを逃がすことが先決だ。


「やめろおぉォォォォォ!!!!!」

突然まだらは絶叫して走り出した。

「ばっ…!!」


そっちは妖怪がいる村だぞ…!!


「まだら!!」

「ざくや!!さやは先に村へ行く!!!」

「ああ、頼む!」

足が早いさやは一目散に村へ向かった。

俺も急いでまだらを追いかける。


一体、何が起きているんだ…!!?


走っている間に首に巻いていた布を頭に巻いた。

長く余った部分が風に靡く。
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