籠の鳥

決断

さや………


捕まえて人間に戻してから一向に冷静になる気配がない。

「さやっ」

呼びかけても反応を示さない。



そして恐れていたことが起きた。

「…!!」

異様な殺気に気付いて振り返った。

そこには嫌な気配を放つ数体の妖怪がいる。


俺の力じゃ……

さやを守って戦えるわけない‥。


そう思いながらもさやの腹を殴り、さやから手を放せる状態にして剣を抜いた。

近付いてくる妖怪に剣を向ける。

だが、もっと重要なことに気付いた。

「……囲まれてる‥」

横目で辺りを見ると、思った数よりも多く囲まれている。

「ここで死ぬ訳には…いかねぇんだよ…!!」


まだらにあんな酷いことを言ってきてしまった…

最初に守るって言い出したのは俺なのに…


何かに操られているかのように、一体の妖怪が俺に襲いかかってきた。
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