籠の鳥
「別にざくやはついてこなくてもいいさ。任務は終わったんだろ?」

「そうだけど。またまだらに会いたいんだ。乗り込むなら力を貸す。嫌な予感がしてならないんだ…」

それを聞いて2人は笑顔を見せる。

「決まりだな。なら早く行こう」

外に飛び出したやつはを俺は追いかけて止めた。

「お前熱は?」

「もう下がった。元々体温も高いから大丈夫」

「1回この森から出よう。外で虎猫も待ってる」

後ろから言ったマオの言葉にやつはは「はぁ!?」と怒鳴った。

「それはあんたのことだろ!?俺はこのまま行く」

「出られるようになったからってこの森を抜けて行くのは危険だ。空から行った方がいい」

「だったらそうすればいいじゃねぇか。俺は危なくないと思うからそのまま森を抜ける」

「やつは!!」

止める俺の手を振り払ってやつはは走って行ってしまった。

追いかけようとしたが、マオに止められる。

「ざっくんまで道連れになることはない。オジサン達は一旦森を抜けよう。やっくんを見つけるのはその後だ」

やむを得ない選択に苦しくなりながら、さやを抱きかかえ直して洞窟を出た。
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