籠の鳥
「あ、ありがとう!ねこさん」

「マオ、だろ。ったく、どこからそんな名前が…」

「ネコさんの国の字をこの国に直すとネコだからね」

「マオも自分ぶんのことをそう呼ぶなって」

クスクス笑うマオは旅をしないせいか、またあのボサボサヘアーになっていた。



マオもあの庭に倒れていた。

が、身体の中にあった毒は浄化され、浅い傷ばかりが残っていた。

周りにフウの姿はなく、マオは覚えていると言う。

"虎が身代わりになった"と―。



元々この世に存在してはいけない存在なのだ。

身代わりになりやすかったのだろう。



と思いきや……



"「猫と虎は、虎の方が強いんだよ」"

「生意気になった子はオジサン嫌いだよ」



戻ってきていた。

マオの肩に―。



あの時やつはを殺した人形に乗り移っていた。

要因は2つある。

1つは、マオの毒を受け入れたことで作り物の肉体がダメになっていたこと。
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