籠の鳥

告白

話し終えたさやは少し穏やかだった。


ざくやとさやの間にそんな過去が…。


「つまりあれなんだよね。さっちゃんはざっくんに恋してきたんだよね」

「違うわ!!はったりを言うんじゃねぇ!!!」

目を釣り上げてマオに吠えた。

僕はそれを見て笑う。



すると部屋のドアが開いてざくやが帰ってきた。

「終わったぞ、マオ。…なんだ?さやも体調が悪いのか?」

「違う!マオが無理矢理繋ぎとめてんだ!!」

「あらら、そんな、オジサンのせい?違うでしょ」

「お前ははったりしか言えないだろうが」

ざくやにバレないように必死に嘘をつくさや。

マオはそれを否定するものの深追いをすることはなかった。

ざくやはその光景に慣れているのか、「はいはい」と答えながら椅子に座った。

「次、夕飯」

「ついに家事もやるのか、俺は。そこは流石に無理だぞ。飯なんて作ったことない」

顔の前で手を振りながらざくやは拒否をしたが、マオも負けじと言い返した。

「オジサンもないよ」

「もっと上手い嘘をつけないのか!?」
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