籠の鳥
「あー………」

マオは笑顔で声を漏らした。



そこにいたのは巨大な百足(むかで)。

俺も顔をしかめて見上げていた。

「やっぱり来たね、坊ちゃん。ここを見張っていてよかったよ」

「ケッ…汚ぇ、待ち伏せか」

さやは百足を睨み上げながら言った。

「汚いとかじゃないって。僕達は坊ちゃんを迎えにきただけさ」

「"僕達"?あんた独りじゃん」

「何言ってるのさ。まだいるよーだ」

さやの問いに答え、百足は奇声を発した。



俺達は身を縮めてこらえた。

発し終えたあと、さやも吠えていた。

「あ"――――――――!!!煩ぇよ!!!!」

「今仲間を呼んだ」

「!?」

俺達は身構えて周りを警戒した。



しかし満足そうな百足とは裏腹に、周りは相変わらず平和な時が過ぎていた。

「いや、来る!」
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