先生との恋☆Second・Story☆完結☆
「…電話したらゼリー食べるから用意してて」
普段あまりお願いされることがないから、なぜか口が緩んでしまったのは大丈夫。
秋には見えてない。
「りょうかーい」
リビングのエアコンを入れて、冷凍庫に買ってきたアイス(触った感じかなり溶けてんだろうなってくらいに柔らかかった)を入れて、
ついでに買った自分用のお菓子と秋が食べるって言ったゼリーとスプーンを用意していれば。
ドアが閉まる音がして、玄関の所で何やらぼそぼそと秋が通話しているのが聞こえた。
へへへと笑いながら、ソファーに座っていれば、疲れたような、でもどこか不満そうな秋がスマホ片手に来た。
「なんて?」
「別に」
何か言われたのだろうか。
心ちゃんは気付いてなかったのかもしれないけれど、
好意が無ければわざわざ自分の大学に来いとか、案内するとか、検査入院くらいでお見舞いにきたりはしないんだけどなーと思う。
秋もそれには気付いているとは思うけれど、お互い敢えて言わない。
コンと端っこに置かれたスマホ。
代わりにご丁寧に蓋まで開けてあげてたゼリーを持ちぐったりとソファーに体を預けた秋。
「……寝顔、可愛いよね」
地雷だと分かってても言ってしまうのが俺なわけで。
じろっと睨んできた秋にへらっと笑顔を返せば、ゼリーへと視線を戻す。